月別アーカイブ: 4月, 2017

世界が注目する選挙は市場の大きな材料の一つ

タイムラグが生じる投資顧問の配信はイベント時には不向き

昨今テロで騒がれていたフランスでは週末に、大統領選挙の第一回目の投票が行われました。

FXトレーダーにとっては胸が高まるイベントでしょう。
ですが、FX投資顧問等の配信業者は大変でしょうね。

業者によって見方は様々だと思いますが、急変動が予測される為、顧客のポジションを仕切らせたり、新規建てを推奨したり…

本来なら前者でしょうね。
こういったイベントがある時の為替相場は非常に値動きが荒くなります
それをタイムラグが生じる配信でフォローするなど現実的ではありません。

実際に明けの月曜日のユーロ円は、大きな窓を空け400pips程も上昇しています。
先週末にもしショートポジションをストップ置かずに持ち越していたら大変な事です。

ファンダメンタルの市場に対する影響について考える

値動きの幅に差はあれど、今回は基本的に全面円安でした。
円という通貨は現在安全資産の位置付けなので、何か世界で不安を匂わす事が起これば、円高となります。

では、今回の第一回投票は良かった事なのでしょうか?
率直に言うと市場にとっては好感ですね。
マクロン氏がトップで決選投票に進出する事になったという事が要因です。

基本的にマクロン氏はEU残留を掲げている事からも解るとおり、現状維持に重きを置いています。

いわゆる保守派ですね。
市場の視点では、保守派有利、という響きはその国の高評価に繋がります。

つまりその国の通貨が買われる、という事ですね。
今回のユーロがまさにそれです。
そして、ドルやポンド等の他の通貨も連れて買われています。
特に円に対してですね。

市場は基本的に変革を嫌います
変革とは不安定の要因ともなりますし、何より新しい体制というものは、この先どうなるのかが予測し難いからです。

つまり今回、現状維持派のマクロン氏がトップ当選した事により、世界は安堵したという事になります。
ですので円が売られたという事になります。
これに反するのが、極右政党のルペン氏です。
彼女はマクロン氏と対照的な改革派です。

EU離脱、移民受入規制など、何から何までマクロン氏と真逆の公約を打ち立てています。
今回、もしルペン氏がトップ当選していたら、今回の為替相場は逆の結果になっていたかもしれません。

ただ、ルペン氏は今回特に話題となっています。
それは何故か?
つい最近、ルペン氏と酷似した観点の持ち主が、現状維持派の対抗馬を破り大国の大統領になったからです。

その時の大統領選挙の為替相場は、非常に熱いものでした。
やはりあの時も、最初は改革派であった現大統領の獲得票が現状維持派の対抗馬の獲得票を上回ったと中継されるや否や、大幅なドル安、円高となりました。

現大統領の勝利がほぼ確実視されだすと、為替相場は急反転し、それまでの下げ幅を消化してしまいました。
結果、この日のボラティリティは稀に見る凄まじいものとなりました。

まともな投資顧問はイベント時に向けた参戦助言をしない

来月のマクロン氏とルペン氏の決選投票は、まさにその時と似た様な構図である為、これまた大相場になるのでは、と期待しているFXの特にスキャルパーは多いでしょう。

投資顧問業者も本来であればチャンスとしたいところなのでしょうが、もし選挙が接戦になんてなろうものなら、相場が激しく振れ、配信などとても追いつかないと思います。

ですので、どっちに向かうか判らない相場では一度様子見をして、方向が出てから指南する事が、敗けない取引となり、最終的に顧客の利殖に貢献出来るのではないかと考えます。

便利なシステムも結局は使う業者によるところ

日本でもブレイクした遠隔取引システムについて

FXに携わっている方なら一度は耳にした事があるのではないでしょうか。

パム(PAMM)という単語です。
それは何かと言うと、誰かの取引を遠隔操作で別の誰かの口座に反映させるというシステムです。

数年前までは日本でも流行っていました。
ただ、このシステムの提供自体が日本では禁止されているので、需要のあるユーザーは仲介業者等を通して海外のマザーアカウントと繋がっていました。

マザーアカウントとは何か?

取引の提供元となる口座の事です。
では何故パムに繋がる為にわざわざ仲介業者を使ってまでこのシステムに辿り着きたい人達がいるのか?

それは、優秀なトレーダーが自分の口座に入っている資金を殖やしてくれるという利点があるからです。

もっと言えば、口座も資金も自分のものだけど、取引者は優秀なトレーダー…というオーダメイトの様な仕組みが作れるからです。
※勿論成功報酬は払う事になりますが…

FXに投資顧問が普及しなかった理由

日本には昔から株式の投資顧問は存在するのに、FXのそれが少ないのは、一時期、この様なユーザーの利殖意欲を擽るFXを媒体としたツールが世に沢山存在してたからだと考えられます。

さらに何年か前には、FXで運用するファンドが世間に多数蔓延っていました。
それらの業者の提唱利回りは非常に高く、自身で取引をしている時間が無い人や、投資未経験者の間で一時期流行になりました。

しかし蓋を開けてみれば、自転車操業をしていたり、運用で失敗したり、はたまた最初から運用などしていない詐欺だったりと、殆ど利用者が良い結果を出すに至らず、それらの業者は消えていきました。

やはり自身の預けたお金がどの様になっているのか解らないのは危険だね…といった感覚を世間が持ち出したその頃…パムというスキームが蔓延り出しました。
パムは自身の口座の中でどんな取引がされているかリアルタイムで観れる為、ファンド等の一任勘定のネックを見事にクリアしていると思われていました。

どんな優秀なシステムにも盲点が存在する

しかしパムを扱う業者にも不審が出始めました。

実はパムのシステムは、少し改造すれば虚偽の取引をいくらでも見せる事が出来ます
極端に言えば、本当は負けまくっているのに、勝ちまくっている様に見せる事も可能、という事です。

ですので実際のお金はどんどん減っていきます。
その後、パムを扱う業者の大半がこの様な事をしていた事が露呈していきました。

利用者の中には、提供業者に取引履歴の開示を請求する方もいましたが、そもそもパムとは取引履歴を開示しない事を前提としたシステムです。(取引手法がバレてしまうからという理由です。)

実はこれに対し、システムが同じで取引履歴を常に閲覧出来るマム(MAM)というシステムも存在しており、パムの少し後に流行る事となりました。
しかし今度はそのマムで、取引履歴が改竄されるという事態が横行した為、このシステム自体が流行から廃れていきました。

FXの取引自体の難儀さに加えて、この様にFXを媒体とした業者の不祥事が何年も横行していた事もあり、FXは怖いもの、という認識が暫く世間に蔓延していました。

投資顧問がFX普及の架け橋となるか

しかし近年、FXを扱う投資顧問が少しずつではありますが増えてきています。

取引ポイントの配信、という事で性質上、なかなか対応し難い点も有りますが、工夫を凝らし成果を上げている投資顧問業者も存在しています。
もしかしたら、これらの業者の頑張りで、またFXが利殖の一手段として人々が触れやすい媒体になる時代が来るかもしれません。

また先程のパムやマムに関してですが、システム自体は非常に素晴らしいものです。
いつか法の壁をクリアし、真っ当な投資顧問や運用会社が取り扱える様になれる、そんな時代が来たら、為替市場は大きく拡大するかもしれません。

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