日本でもブレイクした遠隔取引システムについて
FXに携わっている方なら一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
パム(PAMM)という単語です。
それは何かと言うと、誰かの取引を遠隔操作で別の誰かの口座に反映させるというシステムです。
数年前までは日本でも流行っていました。
ただ、このシステムの提供自体が日本では禁止されているので、需要のあるユーザーは仲介業者等を通して海外のマザーアカウントと繋がっていました。
マザーアカウントとは何か?
取引の提供元となる口座の事です。
では何故パムに繋がる為にわざわざ仲介業者を使ってまでこのシステムに辿り着きたい人達がいるのか?
それは、優秀なトレーダーが自分の口座に入っている資金を殖やしてくれるという利点があるからです。
もっと言えば、口座も資金も自分のものだけど、取引者は優秀なトレーダー…というオーダメイトの様な仕組みが作れるからです。
※勿論成功報酬は払う事になりますが…
FXに投資顧問が普及しなかった理由
日本には昔から株式の投資顧問は存在するのに、FXのそれが少ないのは、一時期、この様なユーザーの利殖意欲を擽るFXを媒体としたツールが世に沢山存在してたからだと考えられます。
さらに何年か前には、FXで運用するファンドが世間に多数蔓延っていました。
それらの業者の提唱利回りは非常に高く、自身で取引をしている時間が無い人や、投資未経験者の間で一時期流行になりました。
しかし蓋を開けてみれば、自転車操業をしていたり、運用で失敗したり、はたまた最初から運用などしていない詐欺だったりと、殆ど利用者が良い結果を出すに至らず、それらの業者は消えていきました。
やはり自身の預けたお金がどの様になっているのか解らないのは危険だね…といった感覚を世間が持ち出したその頃…パムというスキームが蔓延り出しました。
パムは自身の口座の中でどんな取引がされているかリアルタイムで観れる為、ファンド等の一任勘定のネックを見事にクリアしていると思われていました。
どんな優秀なシステムにも盲点が存在する
しかしパムを扱う業者にも不審が出始めました。
実はパムのシステムは、少し改造すれば虚偽の取引をいくらでも見せる事が出来ます。
極端に言えば、本当は負けまくっているのに、勝ちまくっている様に見せる事も可能、という事です。
ですので実際のお金はどんどん減っていきます。
その後、パムを扱う業者の大半がこの様な事をしていた事が露呈していきました。
利用者の中には、提供業者に取引履歴の開示を請求する方もいましたが、そもそもパムとは取引履歴を開示しない事を前提としたシステムです。(取引手法がバレてしまうからという理由です。)
実はこれに対し、システムが同じで取引履歴を常に閲覧出来るマム(MAM)というシステムも存在しており、パムの少し後に流行る事となりました。
しかし今度はそのマムで、取引履歴が改竄されるという事態が横行した為、このシステム自体が流行から廃れていきました。
FXの取引自体の難儀さに加えて、この様にFXを媒体とした業者の不祥事が何年も横行していた事もあり、FXは怖いもの、という認識が暫く世間に蔓延していました。
投資顧問がFX普及の架け橋となるか
しかし近年、FXを扱う投資顧問が少しずつではありますが増えてきています。
取引ポイントの配信、という事で性質上、なかなか対応し難い点も有りますが、工夫を凝らし成果を上げている投資顧問業者も存在しています。
もしかしたら、これらの業者の頑張りで、またFXが利殖の一手段として人々が触れやすい媒体になる時代が来るかもしれません。
また先程のパムやマムに関してですが、システム自体は非常に素晴らしいものです。
いつか法の壁をクリアし、真っ当な投資顧問や運用会社が取り扱える様になれる、そんな時代が来たら、為替市場は大きく拡大するかもしれません。